本
2024年11月9日
2024年11月9日
時間が空いた時や移動中は本を読みます。
読みたいから読んでいるというよりは、気持ちを切り替える手段にしていることが多いです。私は煙草を喫いませんので、一服を本で代替している感覚です。頭の中がぐちゃっとしたときや判断が必要な時のその前後など、一旦外に出て違う風を浴びる感覚に近いです。
特に移動中は外の空気を吸えるとあってここぞとばかりに読んでいます。
読むのはだいたい経営者の自伝が多いです。理由はありません。環境や経済的な背景、特に個々の事例は当てはまらないことがほとんどですから。ただ、直観的な判断や心理状態といった事の向き合い方や心のありようは参考になることばかりです。垣間見れるここぞとばかりの決断力と行動力のすさまじさに刺激を受ける一方で、停滞期はダメ人間であったりする人間性も見えて、あぁこんな歴史的な方もこんなに動けなくなることがあるんだと思うとますます共感して読み進めてしまい、ついついのめりこんでしまいます。
そんな本を電車で読むので時間通りには着きません。気づいたときには別の駅、だいたい行き過ぎます。読まなければいいのですがタバコと一緒で気分転換に必要な為やめるわけにはいきません。それに読まなくても何やら想像しているのでそれはそれで行き過ぎてしまいます。何をしようと結果は変わらないと理解して、最近はそうなるだろうからと10分前の電車に乗るようにしています。それでも大事な打合せや約束事に限って大幅に行き過ぎてしまうことがあります。どうしようかと思うのですが、そんな時に限って申し合わせたように先方から10分遅らせてほしいと連絡をいただけて、なにやら不思議と助かっています。
話を戻して、本を買うときは、特に建築本は気持ちが高ぶる本を買うようにしています。一般論や常識的な本も悪くはないですが、それではどうしてもわくわくしないのです。建築本は高値です、新刊ながら数千円~数万円するものまであります。どうせお金を払うなら熱意が感じられる本、わくわくする本を買いたい、そう思って書店に行きます。そのような本は自然と何度も見返してしまう本です。陰影が美しかったり色気のような直観的な感覚を刺激する描写だったりと心が揺さぶられます。高いものは高いだけの理由があるのだと感じますし、買ってよかったと思います。
一方で、建築に興味がある、くらいの人にはそういった高値の本はなかなか手が出ません。まさに高嶺の花です。わかります。理解を深めていただく意味で、たとえ建築畑ではなくても誰でも気軽に建築を楽しめてわくわくするような、導入本みたいな感じでご紹介できたらと思い以下記載します。
一つ目は、吉田誠治さん著書の「ものがたりの家」、各家にそれぞれ固有のテーマがあって、例えば灯台守ならこんな家とか、書店だったらこんな家など個性に全振りするとこうだよねという家です。とても分かりやすく設計事務所に依頼される案件に似ているので参考になるように思います。個人的には、小さな子が見てもたのしめるだろうと思い姪っ子にプレゼントしたところ「住みたい家を描いたよ」とプランを描いて持ってきてくれました。想像力が掻き立てられたんだと思います。年齢関係なくおすすめです。
二つ目は井田千秋さん著書の「家が好きな人」生活単位が単身なので少し大人向けかもしれませんが、家が好きな人が暮らすとこうなる、といった情景が柔らかいタッチで描かれていて入りやすいです。三つ目は前二つより広い枠から詳細な生活を覗こうとした妹尾河童さん著書の「河童が覗いたニッポン」建築以外の日常にも触れていてそれがわかりやすくスケッチで書かれています。文字は多めですが苦にならないと思います。いずれも絵が主体で進むので見ていて楽しいはずです。年齢に限らず愉しめると思います。(一つ目二つ目:フィクション、三つ目はノンフィクションです)
以下アマゾンリンクです。ご興味あればぜひ。
もし建築や美術本をお探しなら試し読みができる蔦屋書店さんがお勧めです。感覚を豊かにすることは心の豊かさを養うことにつながります。大事な感覚ですので私は大事にしています。