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建築探訪

2024年10月22日

先日、千葉に教会を見に行きました。

インマヌエル船橋教会。設計は室伏次郎さん。

竣工は2017年と割と新しい建築です。外のコンクリート面がとてもきれいでした。おそらく見えないところで汚垂れ処理の設計がなされているんだと思います。教会内部はほとんどが土足で動けるにもかかわらず手入れが行き届いていて全体的にとてもきれいな印象です。住居併用しているとはいえ広い建物をどうやって掃除されているんだろう、とこれを書きながら改めて思いました。

中はとても静かな空間でした。

コンクリートは質量・重さとその表情から意図的に強さや威厳みたいなものを感じさせることができます。特に打放しコンクリートは表面が荒々しくより強調されると思っていましたが実際そうなっていなかったのには驚きました。要所要所で不規則な配列の窓があったり、角の面を太くとってあったりと、見えるもの、手が触れるもの、にひと工夫されていたからかもしれません。

特に礼拝堂は、直線でつくられた空間であるにもかかわらず柔らかさみたいなものを感じました。

個人的な感想ですが、理由のひとつはアシンメトリー(非対称)だろうと思います。これがシンメトリー(左右対称)な空間だとかなり強い印象を受けると思いますが、そうはなっていない。 正面がなくなり十字の光も左右違って見えます。視覚を操作することで意図的に不完全な空間とした感じすら受けます。さらに、アシンメトリーとしたことでうまれた右面の物理的な奥行きが、実際に立つと寸法以上に感じるところも空間を柔らかく感じさせる理由のひとつだろうと思います。そして光。牧師さんも仰っていましたが、直接的な光ではないことが室伏建築では珍しいですねとのことでした。淡い光、強すぎない光を模索されたんだと思います。なんとなく想像していきましたが想像以上でした。

写真は、幸い外が暗かったこともあり実際見えた光とほぼ同じです。

案内は牧師さんがしてくださいました。コロナ禍の影響からまだ信徒さんが完全に戻っていないとのことで、だからこそ案内いただけたのかもしれません。牧師さんは、こちらが申し出る前に照明を消してくださったり、牧師さんご自身がこの建物のファンなんだろうなと感じました。また私が阿部さんが好きだと伝えたこともあって竣工時には阿部さんと室伏さんがお二人でみえたときのお話を聞かせてくださいました。お忙しいところ親切にしてくださり本当にありがとうございました。本当感謝です。

お礼を言い外に出ると雨が降っていて、アプローチの庇の有難さを確認。改めて見上げるとファサードにも庇があり汚垂れ対策がここにも、と感心しました。気づかせてくれた雨にも感謝です。

建築は実際に行って、見て触れることが大事だと改めて実感しました。写真だけではわからない。方向性がありながらも正面がない空間は体験したことがなく、感覚的に建築を堪能できたという意味でもものすごくいい経験になりました。

インマヌエル船橋教会、行ってよかったです。

撮影:F10-24mm 1/250orA F4 ISO200

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